広島から世界へ届けるピースブランド『EARTH Hiroshima』。牛来千鶴氏の情熱の源泉とは

CULTURE

2016年12月、広島から世界へ届けるピースブランド『EARTH Hiroshima』が誕生した。広島の製造業とクリエイター、そしてEARTH Hiroshimaが、製造、デザイン、企画・プロデュース・販売の各専門分野でコラボレーション。平和への願いを込めたグッズを製造・販売し、世界へ届けている。

現在は、開始から2年に満たないにも関わらず、既に30を超えるアイテムを商品化。広島の主要な土産物販売店のほか、東京、神奈川、さらにはフランス パリ、イタリア ミラノにも取扱店が広がっており、現在もその数を増やし続けている。最近では、ウィーン国連センターでのチャリティコラボ商品の展示も実現するなど、大きく広がりをみせている。

その仕掛け人である牛来千鶴氏の、情熱の源泉に迫った。

『EARTH Hiroshima』誕生のきっかけ

牛来千鶴氏は株式会社ソアラサービス代表として数々のメディアに取り上げられ、講演にも多数出演するなど、広島を代表する女性起業家である。そんな牛来氏が新たに取り組んでいる『EARTH Hiroshima』。その背景には、牛来氏の生い立ちにも関わる、ある想いが込められていた。

牛来氏は被爆二世として生を受けた。そんな牛来氏は32歳の時に大病を患ってしまう。闘病のなか「自分は何故生きているのか」に向き合った牛来氏が、幸運にも病を乗り越えたとき「自分だけではなく人のため、世界のためになることをして生きていこう」という想いがめばえた。

一方で、企画会社のディレクター・プランナーを経て独立した牛来氏は、広島の優れたものづくりに可能性を感じていたという。リーマンショック後には「下請けだけではなく、オリジナル製品を持ちたい」というものづくり現場の声も目の当たりにした。また、牛来氏はクリエイター・起業家向けのシェアオフィス『ソアラビジネスポート』を運営しており、広島の優れたクリエイティブにも可能性を感じていた。

「広島の製造業、クリエイターがそれぞれの専門分野を活かし『よりお客様に届くもの』を創るために、お手伝いできることがあると感じました。共通のコンセプトとして、ずっと叶えたいと思っていた『世界の平和』をテーマにしたブランドにしようと。被爆二世でありながら、何ができるのか分からずに生きてきた自分が、今やっとできることを見つけた、とも感じています。」

そうして、ピースブランド『EARTH Hiroshima』は生まれた。

広島を元気にするクリエイティブコラボレーション

冒頭でも紹介したとおり、『EARTH Hiroshima』は現在30を超えるアイテムを商品化しており、現在も商品開発に力を注いでいる。ピースブランドというコンセプトから、平和を象徴する折り鶴をモチーフとしたものも多い。広島を代表するクリエイターの洗練されたデザインを、製造業の技術力が完璧に表現している。

そのすばらしい商品の数々を通じて、お客様に届けたい想いとは。

「平和の願いを込めた『EARTH Hiroshima』の商品をお土産として購入していただくことで、ふとした日常の中で平和に想いを馳せるきっかけになれば嬉しいと思っています。平和、というと深刻なイメージになりがちですが、私たちが伝えたいのは傷ついた過去ではなく『平和都市ヒロシマから伝える明るさ』なんです。」

原爆が投下された1945年当時、広島は75年間草木も生えないと言われた。しかし現在の広島は水と緑のゆたかな街となり、その中では優れた製造業やクリエイターがすばらしい製品を創り出している……。牛来氏がめざすのはビジネス先行の利益ではなく、広島の製造業・クリエイターとともに広島を元気にするためのものづくり。広島で生まれたその製品が平和の祈りとともに人の手に渡ることで、少しでもその想いが広まることが牛来氏の願いでもある。

広島から発信する、世界に届けるピースブランド

今年1月にはフランス パリに2箇所、11月にはイタリア ミラノに1箇所の取扱店ができ、世界への広がりも感じる『EARTH Hiroshima』。牛来氏は今後の展開を次のように語った。

「世界の方々が広島に訪れた際に『広島といえばアースブランドだよね、買って帰らないとね』と思っていただける、誰もが知っているブランドにすることが、わたしたちのビジョンです。お土産物としてはもちろん、世界各都市に商品を置いていただき、世界のブランドにしていきたいんです。そうして手に取ってもらった商品を通じて、平和へ想いを馳せる時間を創り出せたら…そんなふうに思っています。」

創業前からの想いが、現実のものとなっていっている。立ち上げて2年弱のブランドを世界に届けている牛来氏は、「想い続け、行動し続けることが大切だと実感しています」と語る。

一個人や一企業としてではなく、広島全体、日本全体、世界全体で“ともに”良くなっていくことを最優先に考え、ものづくりをする。だからこそ今までにない新たな挑戦にも、臆せず胸を張って挑んでいけるのだと感じた。

『EARTH Hiroshima』は、売り上げの一部を広島市の平和を推進する活動に寄付しているとのこと。ぜひ想いのこもった商品を手にしてみてはいかがだろうか。

クリエイティブ未来

ひとつながりの地球

クリエイティブとは『創造すること』だと思っています。私は、“今よりちょっとだけ優しい世界”を創造できればいいなぁと思って活動しています。その想いは『EARTH Hiroshima』の笑顔であたたかみのあるロゴや、『ひとつながりの地球』というコンセプトにも込めています。

平和というと大きすぎて難しそうですが、大きな概念でいうとみんなが幸せに暮らせる世界ということ。目の前の人に必要なことを、自分にできることから始める。それが、私の思う“今よりちょっとだけ優しい世界”。 『EARTH Hiroshima』の商品を通じて、そんな世界を、これからも創っていきたいと思います。

取材先情報

会社名(店舗名)株式会社ソアラサービス
ご担当者様牛来 千鶴
所在地広島市中区広瀬北町3-11 和光広瀬ビル SO@Rビジネスポート4F
電話番号082-532-5662
営業時間9:00〜18:00
定休日土日祝日
業務内容拠点事業、モノづくり事業、活動支援
サイトURLhttps://earth-hiroshima.jp/
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取材時期2018年

※ このページ内の情報は、取材当時のものであり最新のものと異なる可能性があります。

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